こちら眼科

色覚異常

 色覚異常とは色の見え方・感じ方が、正常と異なっている状態をいう。色覚異常には先天性と後天性があるが多くは先天性だ。日本人の先天性の色覚異常の頻度は、男性の5%、女性の0.2%で、決してまれなものではない。
 色覚異常の程度は人によって異なり、検査で指摘されない限り気付かない人もいれば、社会生活に支障を感じる人もいる。多くのケースでは、色覚の異常のため日常生活に困ることはなく、色覚異常以外の障害ないことがほとんどだ。先天性のものは遺伝子の異常が原因であるため進行しないが有効な治療法はない。一方、後天性のものは、疾患の症状の一つとして起きるため色覚異常以外の視力障害や視野障害といった症状が見られることが多い。
 先天性のものでは詳しく色覚検査を行い、その結果から色覚異常の診断と程度判定を行なっておくことが大切だ。特に職業を選択する場合には、色覚異常のことを考慮しておく必要がある。自分の色覚異常は軽度だから大丈夫と思っていたのに、働き出してから意外な問題に気付くことがある。そうならないようにするためには、色覚異常の専門医を受診して、自分の色覚異常の程度や職業適性についてアドバイスを受けておくのがよい。先天色覚異常は進行しないため定期的に検査を受ける必要はない。

(文責:森秀樹)
(メディカルトリビューン=時事)


inserted by FC2 system