こちら眼科

IT眼症

 現代では昔と比べてパソコンを使う機会が増えている。パソコン以外にもテレビ、TVゲーム、携帯電話といったIT機器で目を酷使することが多い。IT眼症とは、IT機器を長時間あるいは不適切に使用することによって起きる目と全身の病気だ。最近は、IT機器を子供も盛んに使うため、大人と同じようなIT眼症を訴える子どもが増えている。
 IT眼症の症状の多くは眼精疲労だが、頭痛や吐き気を伴うような重い症状のこともある。また目の乾燥感もよくある症状で、これは画面を見ているときに瞬きの回数が減るために目が乾燥してしまうことによって起きる。特に子供では瞬きの回数が少なくなりやすいので注意が必要だ。さらに長時間、同じ姿勢、同じ距離で画面を見ていると、首・肩・腕・手・腰の疲れや痛みなどの身体症状や、不安感やイライラなどの精神神経症状も起きる。子供の精神的・知的発達に大切な他人とのコミュニケーションも不足しがちになる。
 IT眼症とわかったら、まず原因を断つことだ。子供をIT機器から遠ざかるためには親が上手に対処しなくてはならない。どうしても子供がIT機器を手放せない場合は、モニターを50cm離して見る、50分以上は使っては駄目、と指導していただきたい。また、目にあった眼鏡を装用することも大切だ。

(文責:森秀樹)
(メディカルトリビューン=時事)


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