こちら眼科

いろいろな感染性角膜炎(下)

 感染性角膜炎は、細菌と真菌以外にもウイルスやアカントアメーバーといった病原体によっても引き起こされる。
 単純ヘルペスウイルスに感染して起こったものをヘルペス角膜炎という。単純ヘルペスウイルスは感染すると体内で潜伏して、免疫力が低下した時などにウイルスが再び活性化する。 ヘルペス角膜炎は角膜の上皮に起こすものを「上皮型」、実質に炎症を起こすものと「実質型」と呼ぶが、上皮型の症状は痛みが強い。実質型では痛みはないが、角膜が白く濁り視力が低下する。 上皮型は抗ウイルス薬がよく効き、だいたい2〜3週間でよくなる。実質型はステロイド薬を使い治療するが、治療に時間がかかり、角膜にあとが残って視力が低下することがある。 免疫力が落ちると再発しやすいため、日ごろから体調を整えて、疲れすぎないといったことに注意する。
 アカントアメーバーに感染して起こったものをアカントアメーバー角膜炎という。最近、2週間タイプの使い捨てコンタクトレンズのユーザーに多発して問題になっている。 症状は痛みが強く、抗真菌剤による治療を行うが治療は難しい。コンタクトレンズケースはアカントアメーバーで汚染されやすいため、3か月に一度は新しいものに交換する。

(文責:森秀樹)
(メディカルトリビューン=時事)

関連サイト
日本眼科学会:角膜ヘルぺス
参天製薬:角膜ヘルペス


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