円錐角膜の方の多くはハードコンタクトレンズを使用されていると思います。
良好な装用感と良好な視力が得るためには、ハードコンタクトレンズが適切に処方されていなくてはなりません。しかしレンズの処方は難しく、その処方技術は施設により大きく異なります。
その技術とは、角膜の形を調べる角膜トポグラファーといった検査装置の質、円錐角膜用のハードコンタクトレンズの種類、処方のセオリー、熟練などの違いです。
ハードコンタクトレンズを装用しても満足な視力が得られないときや、異物感が強くて装用できないというときには処方に問題があることが少なくありません。
そのような時には角膜移植を考える前に、円錐角膜の診療水準の高い施設でレンズの処方を見直してもらうことをお勧めします。円錐角膜の方の中で、角膜移植を本当に必要とする方は全体のわずか数%です。
しかし、強い円錐角膜の方の中には、適切なハードコンタクトレンズを選んでも異物感が強く、長く装用できないことがあります。
そのような場合には、ソフトコンタクトレンズの上にハードコンタクトレンズを乗せる方法(Piggyback lens
system)が効果的です。角膜に傷ができやすい方はレンズの装用時間を短くしなくてはなりませんが、角膜に傷ができにくいレンズを見つけてもらうのがベストです。
(文責:森秀樹)
関連サイト
糸井眼科アイアカデミー: 円錐角膜
円錐角膜.com: 円錐角膜掲示板